離婚原因
離婚原因は民法770条1項に定められています
不貞行為とは、夫婦間の貞操義務に違反する行為、すなわち性的な裏切り行為をいいます。異性との肉体関係を持つことです。食事をともにすることや、口づけするだけでは不貞行為とはいえません。しかし、不貞行為と認められなくても、それらの行為が婚姻を継続しがたい重大な事由にあたれば離婚原因となります
肉体関係を1回でも持てば、またごく短期間の浮気であっても、不貞行為に該当します。1回であっても貞操義務違反は裏切りです。
悪意の遺棄に当たる場合は、大きく分けて3つあります。
以上のように、悪意の遺棄かどうかは夫婦らしい生活の断絶があるかどうかで判断されます。
音信などによって生存を確認できた最後の時点以降、生死不明の状態が3年以上にわたって継続している状態をいいます。生死不明の原因は問題となりません。したがって、所在が不明でも、電話などにより何らかの音信がある場合には、生死いずれとも判明しがたい状態にはありませんので、本号には該当しません。
裁判離婚が肯定された裁判例には、統合失調症の例が多くみられます。通院加療の程度では足りず、常時入院を必要とし、心神喪失の状況にある場合に認められています。治療がほとんど不可能に近くても、通常の会話は正常にでき、妻が入院費などで苦労していることも理解し、かわいそうに思っている実情であれば、まだ強度の精神病にあたらないとされています。
回復の見込みのないことの法的判断は、精神科医の鑑定を前提に法的に判断されます。回復の見込みの有無について、果たして完全に回復するかどうか、また回復するとしてもその時期はいつになるか予測しがたいばかりか、かりに近い将来一応退院できるとしても、通常の社会人として復帰し、一家の主婦としての任務に堪えられる程度に回復できる見込みがきわめて乏しい場合は回復の見込みがないものにあたるとしています。
婚姻を継続しがたい重大な事由とは、婚姻関係が深刻に破綻し、婚姻の本質に応じた共同生活の回復の見込みがない場合を意味します。その判断基準としては、婚姻中における両当事者の行為・態度、婚姻継続意思の有無、子の有無、子の状態、双方の年齢・健康状態・性格・経歴・職業・資産収入など、当該婚姻関係にあらわれた一切の事情が考慮されます。
当事者の有責性についても判断材料とされますが、被告が無責であっても、婚姻の破綻が存在する限り、離婚は認められることとなります。
これに対し、離婚後の生活の見通しのような離婚後の事情については、婚姻の破綻の原因とは関係ないので原則として考慮されません。
判例に現れた「婚姻を継続しがたい重大な事由」としては、次のようなものがあります。